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青色申告特別控除額が55万円に減額?2020年分の確定申告に向けて電子申告の準備を

投稿日:2019-01-27 更新日:




 

平成30年度税制改正により、2020年分の確定申告から、青色申告特別控除額が65万円から55万円に引き下がることが決定しています。

たとえば事業の収入から経費を引いた額を仮に150万円すると・・・

2019年は所得85万円(150万円-65万円)ですが、2020年だと95万円(150万円-55万円)になります。

 

つまり事業所得が10万円増えてしまうということです。

ではなぜタイトルを「55万円に減額」としているかというと、65万円の控除を維持できる方法があるからです。




青色申告特別控除額が65万円から55万円に減額される

青色申告特別控除額が65万円から55万円に引き下がるのは、2020年分の確定申告からです。

つまり2021年の3月15日までに行う個人の確定申告から適用される制度になります。

控除額が減少すれば、その影響は、所得を基準に計算される所得税、住民税、国保税など様々な方面に及びます。

10万円の控除はどうなる?

この影響を受けるのは、65万円の青色申告特別控除額を受けている個人事業主と、個人の不動産オーナー(事業的規模のオーナー)です。

したがって10万円の控除を受けている方の減額はありません。

増税の影響を受ける人は少ない

さて、青色申告特別控除額が減ってしまうことだけにスポットをあてると、何だか限られた人だけが損をするような改正に見えてしまいます。

しかしながら2020年分からは、給与所得控除額についても10万円の引き下げが行われます。

したがって、個人事業主だけが損をするような改正ではありません。

そして、これらと同時に基礎控除の引き上げが行われます。

現行の基礎控除額は一律38万円ですが、2020年からは、所得に応じて次のように控除額が変わります。

合計所得金額 控除額 現行制度(2019年分確定申告まで)との差
2,400万円以下 48万円 +10万円
2,400万円超
~2,450万円以下
32万円 ▲6万円
2,450万円超
~2,500万円以下
16万円 ▲16万円
2,500万円超 0円 ▲38万円

つまり、年間の所得が2,400万円以下であれば、今よりも10万円多く控除を受けることができます。

10万円の控除額が減っても、同じ額の控除が増えるのですから、結果的に増税の影響を受ける人は少ないということです。

これに対して、高所得者の税負担は重くなります。

今回のテーマからは脱線しますが、給与所得者(サラリーマンや公務員、会社役員など)の場合は、給与所得控除額が給与収入850万円で頭打ちとなるため、年収850万円から増税となります。




青色申告特別控除額65万円を受けるためには

「結果トントンなら、大した改正ではない」と考えてしまいそうな内容ですが、実は青色申告特別控除額を、2020年以降も65万円で維持できる方法が2つあります。

1つは「電子申告」をする方法、もう1つは「電子帳簿保存」をする方法です。

電子申告とは

確定申告には

・直接持ち込み

・郵送

・電子申告

の3つの方法があります。

65万円の特別控除を受け続けるには、2020年分からの確定申告を電子申告で行えばよいのです。

電子申告は、国税庁の「確定申告作成コーナー」で作成したデータを「e-Tax」というシステムをつかって送信することで行うことができます。




電子帳簿保存とは

電子帳簿保存とは、「電子帳簿保存法」に定められる要件のもと、帳簿をデータで保存したり、書類をスキャナ保存したりすることです。

管理コストの軽減や出力の手間が省略できるというメリットがありますが、適用するための条件が多く、導入準備に手間がかかることが難点です。

条件とは、たとえば

・税務署からの事前承認を受けること

・関係書類や決められた機械備品を備え付け、いつでも出力可能な状態にすること

・電子計算機やスキャナの機能が基準を満たすものであること

などです。

この導入準備のことを考えると、気軽に手を出せるものではありません。

65万円の控除額を受け続けるために行うのなら、電子申告の方が簡単です。




控除額が10万円アップして今より節税になる

電子申告か電子帳簿保存を行えば、65万円の特別控除額を維持できるほか、基礎控除額10万円アップの適用も、同時に受けることができます。

つまり、2020年分確定申告からは、青色申告特別控除額65万円と基礎控除額48万円(合計所得金額2,400万円以下)の控除を受けることができるというわけです。

何と、今よりも節税できるようになります。

65万円の青色申告特別控除を受けている方は、2020年分の確定申告から何としても電子申告を始めましょう。




2020年分の確定申告に向けて電子申告の準備を

2020年分の確定申告から、個人事業主や一部の不動産オーナーの確定申告は、電子申告がスタンダードになるでしょう。

しかしながら、そもそも65万円の控除を受けるための要件は、正しい貸借対照表を期限内に確定申告書とともに提出することです。

今すぐ電子申告を始めない方は、とりあえず「確定申告作成コーナー」の画面操作にだけ慣れておくといいと思います。

確定申告作成コーナーは特に届け出をせずとも、誰でも使用できます。

国税庁:確定申告作成コーナー

電子申告を始めるなら

電子申告にどのような特徴があるか、他の申告方法と比較した記事です↓

確定申告で郵送と電子申告はどっちがおすすめ?マイナンバーや添付書類の扱いを比較!

2018年分の電子申告から始まる

・マイナンバー方式

・ID・パスワード方式(暫定措置)

について解説した記事です↓

「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」はどちらを選ぶとメリットがある?

お役に立つ情報があれば幸いです(*´▽`*)







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