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65歳以上の介護保険料も年末調整・確定申告で社会保険料控除になる

投稿日:2019-01-28 更新日:




1月1日から12月31日までの間に支払った介護保険料は、「社会保険料控除」として、その全額を所得から控除することができます。

しかしながら、会社員・公務員など給与を受け取っている人が65歳以上になると、介護保険料が給与から天引きされなくなってしまうため、職場の年末調整では、自分で金額を計算し職場に申告しなければなりません。

今回は、介護保険料の支払方法、特別徴収と普通徴収の違い、65歳以上の介護保険料を社会保険料にする方法などを解説します。




介護保険料の支払方法

介護保険は、加入者の年齢で

・第1号被保険者(65歳以上)

・第2号被保険者(40歳以上65歳未満)

に分かれ、誕生月で切り替わります。

40歳以上65歳未満の支払方法

会社員や公務員など、職場の健康保険に加入している人は、給与から天引きされます。

国民健康保険に加入している人は、国民健康保険料に含めて請求されます。

65歳以上の支払方法

65歳を迎えた月から、市町村が介護保険料の徴収を始めます。

給与からの天引きはありません。

保険料が决定したら「介護保険料の納付通知書」が届き、いくら納付するかをお知らせしてくれます。

金額は、前年の所得から市町村が算定します。

65歳以上の特別徴収・普通徴収の違い

65歳以上の介護保険料の徴収方法には、「特別徴収」「普通徴収」の2つがあります。

「特別徴収」とは、介護保険料を年金から天引きする方法です。

年間18万円以上の年金を受給する方に適用されます。

特別徴収では、年金が偶数月の支給となるため、1年度分の介護保険料を6回に分けて徴収します。

これに対して「普通徴収」とは、介護保険料を納付書や口座振替で支払う方法です。

年金の受給額が年間18万円未満の方に適用されます。

普通徴収では、1年度分の介護保険料を10期に分けて徴収する自治体が多いです。

年金が18万円未満になることがある?

余談となりますが、納付月数が少なくカラ期間が多ければ起こりうることです。

しかしながら、平成28年度の国民年金の平均受給額は月57,373円。

厚生労働省:平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

年にすれば約69万円です。

このデータから考えると、介護保険料が普通徴収になるケースは、年金の繰り下げを受けているケースが多いと考えられます。

年金の繰り下げとは、受け取れる年金の一部又は全部について、受給する年齢をあえて引き上げる(遅らせる)ことです。

繰り下げを行うと、遅らせた月数に対して、受け取る年金を増額(月数×0.7%)できるメリットがあります。

全額繰り下げをすれば年金は0円ですので、この場合、介護保険料は普通徴収になります。




65歳以上の介護保険料を社会保険料控除にする方法

給与を受け取っている人は、65歳になった途端に、介護保険料が給与から天引きされなくなります。

そのため年末調整では、自分から「65歳になった後に支払った介護保険料」を職場に申告することで、社会保険料控除に含めて計算してもらうことができます。

申告は、「給与所得者の保険料控除申告書」という書類の「社会保険料控除」の欄に、支払った介護保険料の金額を記載して提出すればOKです。

オレンジ色の枠が「社会保険料控除」の欄になります。

年の途中で65歳になった人は、誕生月から12月31日までに市町村に支払った金額を、翌年からは1月1日から12月31日の間に支払った全額を記入します。

普通徴収、特別徴収のどちらであっても同じです。

金額は、市町村から届く「介護保険料の納付通知書」で確認しましょう。

年末調整を受けない人の場合

年末調整を受けない人や年末調整で職場に申告し損ねた人は、確定申告をすることで、申告していない介護保険料の控除を受けることができます。

確定申告書の場合は、第一表と第二表に記載欄があります。

 




65歳以上の介護保険料を社会保険料控除にする時の注意点

特別徴収の要件に該当する方でも、すぐに特別徴収が開始されるわけではありません。

特別徴収を開始するまでの事務手続きが必要で、その手続きが完了するまでの数ヶ月間は、普通徴収が行われます。

もしこのケースに該当すると、65歳になってからの介護保険料に、普通徴収で支払った額と特別徴収で支払った額が混在することとなるため、次のような申告漏れが起こることが考えられます。

申告漏れパターン①

年末時点では特別徴収だったため、年金から天引きされた介護保険料だけを申告してしまい、65歳になってから特別徴収に切り替わるまでの間に普通徴収で支払った介護保険料の申告を忘れてしまう。

申告漏れパターン②

特別徴収に切り替わったことを忘れて、普通徴収として通帳から引き落とされた介護保険料だけを申告してしまう。

このような申告漏れを防ぐには、申告する介護保険料の金額は、自分で計算せず、市町村から届く「介護保険料の納付通知書」で確認しましょう。

「介護保険料の納付通知書」であれば、徴収方法の違いに関わらず支払金額を確認することができます。

介護保険料の納付通知書をなくした場合

「介護保険料の納付通知書」を失くした場合は、市町村に再交付の依頼ができます。

いくら納めたかがわかる書類(領収書のようなもの)を別途発行してくれる市町村もあるようです。

金額がわからないときや、いくら申告すればよいか迷ったら、とりあえず市役所に問い合わせてみましょう。




まとめ 65歳以上の介護保険料を年末調整・確定申告で社会保険料控除とするには

65歳からの介護保険料は、自分で計算して社会保険料控除に計上しなければなりません。

給与天引きがなくなったことで計上を忘れてしまうのは本当にもったいないことです。

もし年末調整で申告し損ねた場合は、確定申告を行いましょう。







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