離婚と相続

兄弟や姉妹が離婚したら相続権はどう変わる?兄弟の子どもの相続権は?

投稿日:2019-03-14 更新日:




今回のテーマは、離婚した人の兄弟や姉妹の視点からみた、離婚後の相続です。

・兄弟が離婚したら、自分は相続人になるの?

・その相続分は変わるの?

・もし兄弟に子どもがいたら、その子どもの相続権はどうなるの?

といった疑問が解決できる記事になっています。

周囲に聞きづらい内容ですので、ここでさくっと解決しましょう。




そもそも兄弟姉妹に相続権が発生するケースとは

兄弟や姉妹に相続権が発生するケースは、亡くなられた方に、相続人となる子どもや両親がいない場合です。

誰に相続権が発生するかは、法律によって次の順位で決められています。

・第1順位 子ども

・第2順位 親

第3順位 兄弟姉妹

第1順位の人がいなければ、第2順位の人、第2順位の人がいなければ、第3順位の人に相続権が移るしくみです。

このようにあらかじめ法律で決められた順位で相続人になる人のことを、法定相続人といいます。

相続権が移る条件は、もともといない場合のほか、すでに亡くなっていたり相続権を放棄したりした場合も含まれます。

夫や妻の親族に相続権はない

法定相続人となる「親」や「兄弟姉妹」は、直系の親族(実の親、実の兄弟、養子縁組をした親族)です。

結婚相手の親や兄弟は、直系の親族ではないため、相続権は発生しません。

子どもが亡くなっているときは「代襲相続」

子が既に亡くなっていて孫がいる場合は、孫が子の地位を引き継ぎます。

これを代襲相続といい、この場合、その孫が第1順位になるため、兄弟姉妹に相続権は発生しません。

また第2順位の親が既に亡くなっていて祖父母がいる場合も、同じ状況となります。

このことから、兄弟や姉妹に相続権が発生するのは、第1順位や第2順位の代わりになる孫や祖父母がいないことも条件となるのです。




兄弟が離婚した後の相続権

亡くなった人の夫や妻は、常に法定相続人になります。

第1順位から第3順位の法定相続人と常にセットで、相続権が発生するイメージです。

<イメージ>

配偶者がいる場合 法定相続人
第1順位 子ども + 配偶者
第2順位 親 + 配偶者
第3順位 兄弟姉妹 + 配偶者
第1~3順位がいない 配偶者

もし離婚すると、上の表から配偶者だけが消えることになります。

他の親族の相続順位は変わりません。

つまり兄弟である自分が相続人になるかどうかは、亡くなった人が離婚しようとしまいと変わらないのです。

兄弟姉妹は離婚後も第3順位

もう少しわかりやすくするため、離婚前・離婚後・再婚後の法定相続人を表にしてみました。

離婚前 離婚後 再婚後
第1順位 子ども+配偶者 子ども 子ども+新配偶者
第2順位 親+配偶者 親+新配偶者
第3順位 兄弟姉妹+配偶者 兄弟姉妹 兄弟姉妹+新配偶者

この表のとおり、離婚してもしなくても、兄弟姉妹の相続順位は第3順位から変動しません。

兄弟や姉妹の相続権は、第1順位・第2順位次第で、離婚は関係ないのです。




離婚後の兄弟の法定相続分はどう変わる?

法定相続人が、相続できる財産の割合を「法定相続分」といいます。

まず、配偶者がいる場合の兄弟の法定相続分は、次のようになります。

法定相続人 法定相続分
兄弟姉妹と配偶者 兄弟姉妹…4分の1

配偶者…4分の3

兄弟や姉妹が複数いれば、その人数で均等に分けることになります。

例:兄が亡くなり、兄の妻、兄の妹と弟が法定相続人の場合

・兄の妻 → 4分の3

・兄の妹と弟 → 8分の1ずつ(4分の1を2人で分ける)

離婚後は兄弟姉妹の法定相続分が増える

離婚は相続順位には影響しませんが、法定相続分は変わります。

離婚をすることで、その法定相続分を、配偶者と分ける必要がなくなるからです。

さきほどの例でお兄さんが離婚した場合、妹と弟で財産を分けることとなります。

例:兄が亡くなり、その妹と弟が法定相続人の場合

・妹と弟 → 2分の1ずつ

兄弟姉妹には全血・半血ルールがある

兄弟と姉妹の法定相続分については、全血(ぜんけつ)と半血(はんけつ)のルールがあります。

全血の兄弟とは、同じ父母のもとから生まれた兄弟、半血の兄弟とは、父母のどちらか一方が異なる、異父・異母兄弟のことです。

たとえば、

・父Aと母Bとの間に生まれた一郎と二郎

・父の再婚相手である母Cとの間に生まれた三郎

の3人兄弟がいた場合、一郎が亡くなったときは、二郎は全血兄弟姉妹ですが、三郎は半血兄弟姉妹になります。

もし全血の兄弟と半血の兄弟がともに法定相続人となった場合、半血の兄弟の法定相続分は、全血の兄弟の半分になるというルールがあります。

亡くなった兄弟から見て、全血か、半血かで考えることがポイントです。




子どもがいる兄弟や姉妹が離婚した後の相続権

兄弟や姉妹が離婚して、その子どもを元夫・元妻が引き取ったとしても、その子どもは第1順位の法定相続人です。

親権の有無、扶養に入れているかどうかは、相続権に関係ありません。

したがって子どもがいる兄弟や姉妹が離婚した場合も、親・兄弟の相続順位に影響はありません

兄弟の子どもが再婚したら

別れた夫や妻が再婚しても、その子どもは元の親(実親)からの相続権を持ち続けます。

しかし年少の子どもの親が再婚したとき、「特別養子縁組」といって、新しいお父さん、お母さん(つまり再婚相手)と法律上の親子関係を結ぶことがあります。

もしこの「特別養子縁組」によって別の人の養子となった子どもは、本当のお父さん、お母さんからの相続権を失います。

この場合は、ほかに第1順位の子がいなければ、第2順位、第3順位に相続権が移ります。

ただし、この話は「特別」養子縁組に限られます。

通常の養子縁組(いわゆる「普通養子縁組」)では、元の親の相続権を失いません。

したがって単に「再婚相手の養子になった」という話を聞いただけでは判断できないので注意してください。




まとめ 兄弟や姉妹が離婚したら相続権はどう変わる?子どもの相続権は?

記事をまとめると

兄弟が離婚しても、それによって法定相続人になることはない

兄弟が離婚すれば、法定相続分は変わる

兄弟の子どもは、離婚後も第1順位で相続権をもつ

・特別養子縁組によって相続権が変動する

ということになります。

そのほかの親族に関する離婚後の相続権については、こちらの記事にまとめています。

離婚後の遺産相続権はどう変わる?法定相続人について解説

 







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