離婚と相続

離婚後の遺産相続権はどう変わる?法定相続人について解説

投稿日:2018-07-03 更新日:




離婚や再婚をすると、遺産を相続する権利をもつ人が変わります。

なぜなら、遺産を相続する権利をもつ人は、法律で、亡くなった人と一定の親族関係がある人と決められているからです。

この「遺産を相続する権利をもつ人」ことを「法定相続人」といいます。

この記事では

・これから離婚しようとしている人

・すでに離婚している方で自分の財産、元夫や元妻の財産がどうなるかを知りたい人

に向けて、そもそも法定相続人とは何か、法定相続人は離婚前と離婚後でどう変わるかについて解説します。




そもそも法定相続人とは

相続とは、亡くなった人の財産を遺族が受け継ぐことです。

民法では、誰に相続権があるかについて、亡くなった人(被相続人)の死亡時の親族関係で決定することが定められています。

法律で相続人に定められた人のことを「法定相続人」といいます。

法定相続人とは誰のこと?

法定相続人とは、「配偶者」と「血族相続人」です。

つまり、「夫婦」か「血の繋がった家族」ということになります。

配偶者とは

まず「配偶者」ですが、これはそのまま、婚姻関係にある夫や妻を指します。

事実婚のご夫婦は、法律の上では相続権は保障されていませんので、個別に取り決めが必要です。

血族相続人とは

続いて「血族相続人」とは、「血の繋がった」家族のことを指します。

子どもや両親、兄弟姉妹です。

義父、義母といった義理の親、義理の兄弟は直系血族ではないため、相続権はありません。

したがって離婚しようがしまいが、義理の親族はあなたの法定相続人にはなりません。

(ただし血の繋がっていない人を血の繋がった家族と法律の上でみなす「養子縁組」という制度があります。)

法定相続人の順位

法定相続人のうち、配偶者は常に相続権をもちますが、それ以外は、その親族関係によって下記の順位が決められています。

・第1順位 子

・第2順位 親

・第3順位 兄弟姉妹

たとえば、配偶者と子がいる場合の法定相続人は、配偶者と子。

子がいなければ、配偶者と親。

子も親もいなければ、兄弟姉妹となります。




法定相続分とは?

法定相続分とは、法定相続人が相続できる遺産の割合です。

法定相続人となる人の順位や人数で、それぞれの法定相続分が決まります。

最終的に全員が納得すれば、法定相続分どおりに財産を分ける必要はないのですが、周囲が勝手に、その人の法定相続分を無視した取り決めを進めることはできません。

つまり法定相続分とは、遺産の分け方を決める際の基本的な考え方となります。

またこれとは別に、相続税を計算する上でも、とても重要な役割をもっています。

法定相続分を見てみよう

法定相続人と法定相続分は、下記のとおりです。

法定相続人 法定相続分
配偶者のみ 全て配偶者
配偶者と子 配偶者が2分の1、子が2分の1
配偶者と親 配偶者が3分の2、親が3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1

 

相続順位が下がるごとに、配偶者の取り分が多くなることに特徴があります。

もし同順位の人物が複数いる場合は、法定相続分をその人数で均等に割り算します。

たとえば配偶者と3人の子の場合は、子の法定相続分の2分の1を3分の1ずつに分けるため、

1/2(子)✕1/3(人数)=1/6(子1人の法定相続分)

で、子1人につき6分の1になります。




離婚後の法定相続人はどうなるか

離婚した場合、法定相続人がどう変わるかというと、別れた元配偶者との間の相続権がなくなるだけです。

元夫婦の間に生まれた子どもの相続権は、親が離婚してもなくなりません。

どちらが引き取ったか、親権者になったかは関係なく、父と母、それぞれの財産を相続する権利が子どもにはあるのです。




離婚後の法定相続人の例

離婚前後で法定相続人がどう変わるか、家族構成ごとに見ていきましょう。

配偶者(元)、子4人、両親、義両親、義理の親族

(離婚前)

・配偶者…2分の1

・子4人…8分の1ずつ

・両親…なし

・義両親、義理の親族…そもそもない

(離婚後)

・元配偶者…なし

・子4人…全て

・両親…なし

・義両親、義理の親族…そもそもない

元配偶者の相続権は、離婚とともになくなります。

義父や義母、義理の兄弟姉妹などはもともと相続権がありません。

配偶者(元)、子なし、両親

(離婚前)

・配偶者…3分の2

・両親…6分の1ずつ

(離婚後)

・両親…全て

配偶者(元)、子なし、両親なし、姉1人の場合

(離婚前)

・配偶者…4分の3

・姉…4分の1

(離婚後)

・姉…全て




法定相続人が亡くなっている場合

法定相続人となる子や兄弟姉妹が、相続時に既に亡くなっている場合、相続権はその子(孫や甥・姪)が受け継ぎます。

これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。

悲しいことに子が先に亡くなっている場合は、その子(孫)に、その子も亡くなっていればさらにその子(ひ孫)に、とその相続権は代襲されていきます。

ただし、兄弟姉妹での代襲相続は一代限りです。つまり、甥と姪までで代襲相続はストップします。

法定相続人が誰もいない、遺言によって指定された相続人もいなければ、その財産は国に帰属します。

なお、両親がすでに亡くなっていて祖父母が生存している場合、代襲相続とは別のルールで、祖父母に相続権が移行します。




まとめ 離婚後の遺産相続権はどう変わる?法定相続人について解説

今回は、法定相続人をメインに解説しました。

離婚では、子どもとの相続関係は変化しませんが、再婚すると子どもの相続分は変わります。

こちらで再婚後の法定相続分をシミュレーションしていますのでご覧ください。

再婚すると相続権はどう変わる?自分が再婚・相手が再婚した場合を解説

 







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