離婚と子ども

監護者の指定はどのくらい行われているの?

投稿日:2018-06-26 更新日:




「子どもと一緒に暮らしたい」「一緒に暮らせなくても、親子の繋がりを失いたくない」

様々な事情から、離婚後に子どもの親権を手にしたいと考える親は多いでしょう。

子どもと一緒に暮らすには「監護者」になるという選択肢があります。

それにより、両親がそれぞれ「親権者」と「監護者」という役割をもつことが可能です。

親権者」と「監護者」の違いについては、こちらの記事で解説しています^^

親権と監護権の違い

しかし急に「監護者」と聞いても、

「そんなの一般的にアリなの?」

「周りにいないんですけど…」

という不安な気持ちが湧くと思います。

そこで今回は「監護者」の指定状況を、調査してみました。

実際にどれくらいの人がいるのか、数字で確認していきましょう!




監護者はあまり知られていない

監護者は、親権者に比べ世間の認識は低いものです。

なぜ監護者があまり認識されていないのか、その理由は3つあります。

親権者は義務 監護者は任意

離婚において、未成年の子どもの親権者を選定することは義務ですが、監護者を選定することは義務ではありません。

離婚届にも記載欄はないため、監護者という言葉を知らなくても離婚を成立させることはできます。

親権と監護権を区別する機会がない

両親が婚姻している間は、親権は両親が共同して実行します。

したがって、親権を身上監護権財産管理権の2つに区分して考える必要はありません。

そのため親権から身上監護権を分離できることを知る機会がなく、子どもと一緒に暮らすには親権者になるしか方法がないと誤認してしまうのです。

親権者=母が一般化している

平成28年の離婚のうち、未成年の子がいる離婚は12万5,946組で、そのうちが全児の親権者となったケースは、10万6,314組です。

一方、が全児の親権者となったケースは1万5,033組

何と、母が親権者となるケースは父の約10倍にも上ることがわかります。

母が、子どもの身の回りの世話を行う家庭は多いでしょう。

そのまま母が親権者となれば、監護者をあえて指定する必要はありません。

そのため、監護者という制度を知らないまま、母を親権者として離婚するケースが多いのではないでしょうか。

 




監護者の指定に係る家事事件は増加している

それでは、監護者をどのくらいの人が指定しているのか。

実は、全ての数字は統計では把握できません。

理由は、監護権を指定しても、行政に届け出たり申請する必要がないためです。

したがって父母が話し合って監護者を指定した場合、それが何人いるかを把握することはできません。

しかし、監護者の指定を巡って、調停や裁判を申し立てるケースもあります。

このケースであれば、司法統計から件数を知ることは可能です。

 

それでは、一体どのくらいの人が、調停や裁判で監護者の指定を申し立てているのでしょうか。

過去5年間(2012年~2016年)に調停・審判で受理された監護者の指定の申し立て件数を一覧表にしてみました。

結果はこちらです。

受理された年 家事調停件数 家事審判件数 離婚件数(参考)
2012年 2,083 2,831 235,406
2013年 2,406 2,861 231,383
2014年 2,607 3,007 222,107
2015年 3,010 3,399 226,215
2016年 3,199 3,508 216,798

おっと・・・やはり少ないですね。

参考までに一番右にその年の離婚件数を載せてみたところ、数パーセントですね。

数字で把握されていない監護者もいるだろうとは言え、やはり少ない。

 

しかし、よく見ると調停での監護者の指定に係る受理件数は、この2012年から2016年までの5年間で約1.5倍にも件数が増加しています。

審判での受理件数も、上昇傾向にあることは間違いありません。

働き方の多様化で、今後、新たな活路を見出す可能性もあります。

「珍しい制度」という認識も、徐々に変わってくるかも知れません。

ちなみにこの件数とは別に、「離婚調停」などの結果として監護者を指定したケースも統計があります。

それがこちらです。

親権者 もう片方の親が監護者
2012年 2,033 133 6.5%
19,161 23 0.1%
2013年 1,899 106 5.6%
18,740 33 0.2%
2014年 2,002 122 6.1%
18,246 36 0.2%
2015年 1,947 95 4.9%
18,416 17 0.1%
2016年 1,943 116 6.0%
19,317 45 0.2%

注目は父が親権者となり、母が監護者となるケースですが、

何と、約6%で推移しています。

多いとは言い難いですが、一定数で推移しているということは、「そこには必要性がある」ということです。

離婚件数参照:厚生労働省人口動態調査

家事調停・家事審判受理件数参照:司法統計

 




監護者は選択肢のストックでいい

離婚してもせめて子どもと一緒に暮らしたいと願うことは当然です。

そして親権者でありたいと思うことも当たり前のこと。

生まれてきた時からずっと親なのですから。

それを、離婚手続きのためとは言え、子どもとの社会上の関係まで変わってしまうなんて・・・

そこまで寂しい思いをしなければならないのでしょうか。

しかし、離婚後の共同親権は認められていません。

どちらか片方しか親権者になれないことは法律で決められているのです。

今回の監護者の話は、あくまで選択肢のストックと思って下さい。

もし離婚しようか迷って心が疲れた時、また、親権が取れないんじゃないかと1人で不安に襲われた時に、少し思い出してくれればよいのです。

今回の調査で、「監護者」という選択肢を利用している人は、一定数いるということがわかりましたよね。

「こうでなきゃ生きていけない」と自分を追い詰めてしまう前に、「こんな選択をした人たちがいるんだなー」と知って、選択肢のストックにしてもらえれば幸いです。

 




監護者の指定はどのくらい行われているの? まとめ

離婚で感じる孤独で苦しい気持ちと戦うと、自分を責めたり、結婚したことを後悔する気持ちばかりが頭をぐるぐる周ってしまいます。

自分ひとりで抱え込まないで下さい。

今回、数字でしか感じ取ることができませんでしたが、親権を巡って決着を付けてきた人たちが、この5年だけでこれだけいるのです。

きっとこの方々も、くじけたり泣いたりしながら、誰かに励まされて前に進まれたのではないかと思います。

もしエールが必要と感じた時や、悩みを吐き出して元気になりたいと感じた時は、お気軽にメールください。

 

↓↓監護権について、客観的なメリットもまとめてみましたので、ぜひこちらも読んでみてくださいね^^

監護者を選定するメリットと注意点

離婚してもやっていける人の5つの条件







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