離婚と子ども

離婚後の「親権」と「扶養義務」の違いとは

投稿日:2018-06-23 更新日:




幼い子どもを抱えて離婚をする場合、離婚後の親権扶養義務の違いについて知っておく必要があります。

今回は、離婚前に知っておきたい親権扶養義務の違いを解説します。

 




親権とは

親権とは、未成年の子どもを育てる親の権利のことです。

親権の内容は、

・子どもの身の回りの世話を行うこと

・教育を受けさせること

・必要なしつけを行うこと

・子どもに代わり法律行為を行うこと

などで、名称は権利ですが内容は義務と呼んだ方がしっくりくるものになっています。

夫婦であれば、どちらも平等に親権を有します。

離婚後の親権者は1人

未成年の子の両親が離婚をする場合、両親のどちらか一方を子どもの親権者に指定しなければなりません。

協議離婚の場合は、離婚届で親権者を指定しないと受付けてもらえず、調停や裁判離婚でも最終的には親権者を1人に決めることになります。

共同親権は認められない?

海外では離婚後も父母が共同して親権をもつことができる国もあります。

日本でも、片方の親が必ず親権を喪失することを制度化することが、子どもにとって本当に良いことかどうかは、議論もあるところです。

しかしながら、現在日本では離婚後の夫婦が親権を共同して行うことは認められません。

親権を分けることもある

親権者は、子ども1人1人に対し決定されます。

そのため稀なケースですが、2人以上の未成年の子がいる場合、それぞれ異なる親権者を定めることも法律上は可能です。

厚生労働省の平成28年の人口動態統計から、離婚における親権者の指定状況を見ると

・妻が全児の親権を行う離婚 10万6,314組

・夫が全児の親権を行う離婚 1万5,033組

夫妻が分け合って親権を行う離婚 4,599組

と発表されています。

厚生労働省 我が国の人口動態

夫妻が親権を分けるケースは、全体の3.7%ほどではありますが、現実にあるということですね。

もっとも、離婚による子どもの環境の変化は、最小限に留めることが望ましいです。

また兄弟姉妹から受ける影響は、一般的に子どもの生育の上で良いものと解されています。

したがって調停や裁判となると、夫妻が親権を分けることは認められにくいようです。

 




扶養義務とは

扶養義務とは、直系の血族や兄弟姉妹がお互いを扶養する義務のことです。

この法律により、たとえ離婚をして親権者でなくなった親でも、子どもに対する扶養義務は存在し続けます。
また、扶養義務は親権と違い、子どもが未成年であることを要件としません

そのため、子どもが成年に達しても病気や障害等で自立できない状況にある場合は、扶養義務が発生するのです。

扶養義務は再婚してもなくならない

扶養義務は、両親のどちらが再婚してもなくなることはありません

それでは、親権者の再婚相手と子どもが養子縁組をした場合はどうでしょうか。

もし養子縁組が一般的に「普通養子縁組」と呼ばれるものであれば、実親の扶養義務はなくなりません。

 

「普通養子縁組」とは、実親との親子関係を存続させたまま、別の人物の養子となる養子縁組のことです。

養親となった人物が一義的には養子となった子を扶養しますが、実親の扶養義務も存続します。

そのため、親権者である妻が再婚して養子縁組を行った後も、別れた夫から養育費をもらい続けるケースもあるのです。

ただし「特別養子縁組」を行った場合は、実親との親子関係は消滅するため、扶養義務はなくなります。

特別養子縁組は、子どものために実親と同等の関係を築くための制度です。

原則6歳未満の子としか行えないなど、普通養子縁組より厳格な基準が設けられています。

 




親権争いが不安な時は「監護権」も知っておこう

親権争いが不安な時は、監護権の存在も知っておきましょう。

監護権とは、親権の権利の一部を分離させ独立させたもの。

毎年一定数の方が、監護者と親権者を別に指定しています。

親権と監護権の違い




親権と扶養義務 まとめ

親権扶養義務についてまとめると、

・親権は離婚後は父母のいずれか片方しかもらえない

・親権を失っても扶養義務はなくならない

・扶養義務は子どもが成年になってもなくならない

・扶養義務は子どもが養子縁組(普通養子縁組)をしてもなくならない

ということです。

未成年の子どもを抱えて行う離婚は、どのように親権と扶養義務を果たすかがとても重要です。

どうしたら子どもが安心して暮らせるか、夢に向かって勉強や部活動に専念できるかなど、子どもの生活を基準に、両親が協力して決めていかなければなりません。

離婚してもやっていける人の5つの条件







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