離婚と子ども

別居中の夫から児童手当をもらいたい!児童手当の変更手続きを行う方法と注意点

投稿日:2018-09-13 更新日:




離婚するために、お子さんを連れて別居すると

「あれ?パパが児童手当もらってるよね?」

「児童手当、渡してくれないんだけど・・・」

となるケースが多いようです。

が、そんなことは許されません。

児童手当は、子どものための大切なお金であり、受給するべき人は子どもと一緒に暮らしていく親です。

今回は、児童手当の受給者を変更するための手続きを

・離婚が成立している場合

・離婚協議中に変更する場合

に分けて解説するとともに、児童手当の変更手続きの注意点について解説します。




離婚後の児童手当は誰に支給されるの?

両親が児童を養育している場合、児童手当は「所得が高い方の親」に支給されます。

この理由は、一般的には所得が高い親の方が、児童の生計を維持する程度が高いと考えられるためです。

しかし、そもそも児童手当とは「子どもを養育している人」が受け取るもの。

そのため、離婚や離婚協議中のために親子が別居した場合は、子どもと同居している親(子どもをひきとった親)に支給されます。

このことは厚生労働省が明らかにしており、自治体の運用ももちろん同じです。

厚生労働省 児童手当Q&A(Q7参照)

児童手当の金額や仕組みなどが知りたい方は、こちらもぜひお読み下さい。

児童手当の金額や支給月は?変更手続きで受給額がアップすることも!




離婚による児童手当の変更手続き

離婚又は離婚協議中のために、児童手当の受給者と別居した時は、受給者を変更しなければなりません。

変更の手続きは、

・離婚が成立している場合

・離婚協議中で別居している場合

で異なります。

さらに離婚協議中の場合は、

・相手が変更手続きに協力してくれる場合

・相手が変更手続きに協力してくれない場合

で、それぞれ手続きが異なります。




離婚が成立している場合の手続き

新しく支給を受ける人(子どもを引き取った親)は、新しい住所地を管轄する市役所(公務員の場合は職場)に「児童手当・特例給付認定請求書」を提出します。

自治体によりレイアウトは異なりますが、参考までに渋谷区のものはこちらです。

渋谷区役所「児童手当・特例給付認定請求書」

項目が多くてゴチャゴチャしていますが、よく見ると、マイナンバーや口座情報などを記載する欄があることがわかると思います。

この「児童手当・特例給付認定請求書」は、「次回からの手当は、私に支給して下さい」というものです。

児童手当は、さかのぼって請求することができないため、なるべく早く提出しましょう。

「児童手当・特例給付認定請求書」とともに必要となるものは、

・振込み用口座の通帳等

・健康保険証

・マイナンバーがわかるもの(個人番号カード以外の場合は、身分証明書も)

・印鑑

などです。

詳しくは、窓口に確認してみて下さい。

窓口によっては、「離婚したことがわかる書類」を求めるところもあるようです。

一般的には戸籍謄本などですが、発行する前に、代替できる書類がないかも尋ねてみて下さい。

離婚が成立したことで、手元にはいろいろと書類があると思います。

手持ちの書類で代用できれば、お金をかけて戸籍謄本を発行する必要はありませんからね。

離婚後に別居は必要?

児童手当は、住民票上で一緒に住んでいる親のうち、所得が高い人に支給されます。

そのため、離婚後に児童手当の変更手続きを行うには、基本的に別居していることが要件です。

もし住所が変更できない事情がある場合は、一度、自治体の窓口に相談してみて下さい。




離婚協議中に変更する場合の手続き

離婚協議中は、「離婚を前提に別居している」という状況が書類上で証明できれば、変更の手続きができます。

別居が前提ですので、住民票を別にしていることが条件です。

その上で、相手が変更手続きに協力してくれる場合とそうでない場合で、手続きが分かれます。

相手が変更手続きに協力してくれる場合

相手が手続きに協力してくれる場合は、まず相手が、自治体(公務員の場合は職場)に「児童手当・特例給付事由消滅届」という書類を提出します。

これは、「離婚して子どもを養育しなくなりました」という申し出です。

参考までにどのような書類かというと、四日市市のものはこんな感じです。

四日市市「児童手当・特例給付事由消滅届」

相手がこの手続を行った後に、新しく児童手当の支給を受ける親が窓口に行き、「児童手当・特例給付認定請求書」を提出すればOKです。

「児童手当・特例給付認定請求書」は「離婚が成立している場合の手続き」をご参照下さい。

相手が消滅届を出してくれない場合

相手が「児童手当・特例給付事由消滅届」を出さなくても、児童手当の変更手続きは可能です。

相手がこの書類を出してくれない場合は、新しく受給者になる人が、窓口に

児童手当等の受給資格に係る申立書

離婚協議中であることがわかる書類

を提出します。

「児童手当等の受給資格に係る申立書」ですが、参考までに南足柄市の様式はこんな感じです。

南足柄市「児童手当等の受給資格に係る申立書」

「離婚協議中であることがわかる書類」は具体的には、下記のいずれか1つを求める自治体が多いようです。くわしくはそれぞれの窓口で確認する必要があります。

・協議離婚申し入れに係る内容証明郵便の謄本

・調停期日呼出状のコピー

・家庭裁判所における事件継続証明書

・調停不成立証明書

これが揃えば、あとは「離婚が成立している場合」と同様に、「児童手当・特例給付認定請求書」を提出し、新規の申し込み手続きを行います。

新規の申し込みには、新しい振込み用口座の通帳等や本人確認書類も必要になってきます。上記の「離婚が成立している場合」をご覧ください。

なおこの方法で変更手続きを行った場合、窓口から元受給者(相手)に対し、通知書(「受給権者がなくなりました」というお知らせ)が送られます。

児童手当の変更手続きのまとめ

それではここで、手続きをまとめてみたいと思います。

離婚が成立している場合

・住民票の変更(変更できない場合は相談)

・新受給者が下記の書類を提出

「児童手当・特例給付認定請求書」

+ 離婚したことがわかる書類を添付(自治体に要確認)

離婚協議中の別居・相手が手続きに協力してくれる場合

・住民票の変更

・元受給者が下記の書類を提出

「児童手当・特例給付事由消滅届」

・新受給者が下記の書類を提出

「児童手当・特例給付認定請求書」

離婚協議中の別居・相手が手続きに協力しない場合

・住民票の変更

新受給者が下記の書類を作成し提出

「児童手当等の受給資格に係る申立書」

+ 離婚協議中であることがわかる書類を添付(自治体に要確認)

「児童手当・特例給付認定請求書」




児童手当の変更手続きの注意点

DV被害者に対する支援

もし、配偶者からのDV被害から逃れるためにお子さんを連れて別居された方は、手続きを行うときに、そのことを必ず担当者に伝えて下さい。

安易に住民票を変更したり、変更の通知書が避難先の市役所などから送られると、加害者に避難先を察知されてしまうおそれがあるからです。

自治体では、加害者に避難先が知られないよう様々な配慮を行ってくれます。

裁判所から保護命令が出ている場合や公的機関による証明書がある場合は、住民票を変更しなくてもよい場合もあります。

それぞれの手続きを行う際は、まずDV被害に遭っていたことを伝えて下さい。

転居前に相談していた警察署に、転居した旨を伝えることもお忘れなく!

変更手続きをしなかった場合はどうなる?

児童手当は、子どもを養育していない人が手当を受け続けた分は、返還させられることがあります。

たとえ「円満離婚だからいい」と当人同士が納得済みだとしても、変更手続きを行うことは必要です。

児童手当は、あくまで子どものためのお金になります。

したがって、子どもを養育している人にしか支給できないのです。

また、変更手続きをちゃんとしていれば支給額がアップすることもあるため、必ず変更の手続きは行って下さい。

児童手当の金額や支給月は?変更手続きで受給額がアップすることも!




別居中の夫から児童手当をもらいたい!児童手当の変更手続きを行う方法 まとめ

児童手当の変更手続きは、離婚成立後と離婚協議中の別居で異なります。

児童手当は、子どものための大切なお金です。

もし児童手当を相手が渡してくれなくても、絶対に諦めず、まずは窓口に相談しましょう。

自治体の職員は、きちんと事情を説明すれば、必要な人に必要な手当が支給されるよう親身になって対応してくれます。

離婚してもやっていける人の5つの条件







-離婚と子ども
-,

関連記事

監護者を選定するメリットと注意点

  親権者と監護権を分けることには、親、子どもにそれぞれメリットがあると考えられます。 それぞれのメリットについて見ていきましょう。 監護者の制度についてお調べの方は、まずはこちらをご覧くだ …

監護者の指定はどのくらい行われているの?

「子どもと一緒に暮らしたい」「一緒に暮らせなくても、親子の繋がりを失いたくない」 様々な事情から、離婚後に子どもの親権を手にしたいと考える親は多いでしょう。 子どもと一緒に暮らすには「監護者」になると …

子どもの歯科矯正には還付金がある?医療費控除を使いこなそう!

お子さんの歯ならびは、親御さんにとって大切な問題です。 ところが歯科矯正の費用は高額かつ自由診療(全額自己負担しなければならない診療費)であるため、その金額は数十万円にものぼります。 共働きでも、この …

離婚して子と別れた親は扶養控除を申告できる?重複した時はどうすればいい?

離婚して子と別れた親でも扶養控除を申告できるのでしょうか。 もし別れて暮らす元夫が、あなたと暮らす子どもの扶養控除を勝手に申告した場合、税務署から扶養が重複している旨の通知(扶養是正の通知)が届き、修 …

離婚後の「親権」と「扶養義務」の違いとは

幼い子どもを抱えて離婚をする場合、離婚後の「親権」と「扶養義務」の違いについて知っておく必要があります。 今回は、離婚前に知っておきたい「親権」と「扶養義務」の違いを解説します。   この記 …




カテゴリー別 記事一覧

このブログを書いている人

このブログを書いているひと

田舎FP・いしだ
田舎暮らしのファイナンシャルプランナーです。
自身の離婚経験から、離婚とお金の悩みを解決できる、そしてちょっとだけ心が強くなれるブログをめざしていますφ(. . )
プロフィールはこちら。ご相談やライターのご依頼は、お問合せフォームよりご連絡くださいまし。

サイドバートップ