離婚と社会保険

退職後の離婚で国保税・住民税で困らないための3つの解決方法

投稿日:2018-09-15 更新日:




退職後から約1年以内でスピード離婚をするときは、国保と住民税の負担率が異常に高くなり、離婚後の生活を圧迫します。

どのくらいの負担がかかるかは、こちらをご覧ください。

退職後のスピード離婚が危険すぎる理由

今回は、この負担を軽減する3つの解決方法をご紹介します。

今回も再び、上記の記事からA子さんの例で説明します。

【おさらい:A子とは】

退職前の年収:400万円

X2年3月末:結婚を機に退職

X2年9月末:スピード離婚




解決方法①国民健康保険料の減免申請を行う

A子さんのように退職後にスピード離婚をしてしまった場合は、離婚直後に、国民健康保険料(税)の「減免申請」を行うことが大切です。

減免申請」とは、その年の合計所得金額(所得控除前の額)が前年のものより30%以上減少すると見込まれる場合、あらかじめ役所に申請しておくことで国民健康保険料の所得割の減免を受けることができる制度になります。

所得が減少する理由は、災害や疾病、会社都合の解雇などに限られず、自己都合の退職でも構いません。

注意が必要なのは、減少が確定した時ではなく、「減少が見込まれる時」に申請することです。

役所は、確定申告等の結果を税務署から受取り、それに基づいて減免適用の最終判断を行います。

しかし減免申請は、その保険料を納付する前に行っておかなければならないのです。

もし保険料を納付した後に申請すると、既に納付した保険料は、減免の計算対象にならなくなります。

したがって、なるべく早く申請するほど(支払っていない保険料が多いほど)減免額は大きくなるのです。

A子さんのケースは、X2年9月に離婚したため、X2年10月以降の加入手続き後にやってくる最初の納付前に行うことがベストになります。

そして、その年度の最後の納付分を支払った後は、減免申請は一切受け付けられません。

「知らなかった」「聞いてない」と主張しても(←私です(笑))だめなものはだめです。




減免申請でいくら還ってくる?

減免申請で減額できる国民健康保険料(所得割)は

・前年の合計所得金額がいくらか

・その金額からどの程度減少したか

で段階的に基準があり、その基準は自治体ごとに異なります。

ちなみに、全額免除されるケースについて、私が確認した自治体の例を参考までにご紹介すると

前年の合計所得金額が200万円以下

その金額から50%以上減少

という条件でした。

つまり、下記の記事で400万円の収入を得ていたA子さんの例では、減額はされても免除にはならないということです。(前年の合計所得金額が266万円なので)

また、失業に関する給付を受けている場合、収入とみなされるものもあるようです。




加入時に減免申請を済ませておく

減免の制度は30%以上の減額が見込める場合に適用されます。

しかし、今年の所得がどうなるかはっきりしないケースもあるでしょう。

その場合も、とにかく減免申請は先に済ませておくべきです。

理由は、

・払ってしまった保険料は還付の対象にならない

・還付するかどうかは、所得確定後に役所が判断すればいい

からです。

とにかく手続きを済ませておかなれば、後からはどうにもならないということが、減免申請では最も重要なポイントとなります。

したがって、加入手続きの時に同時に減免申請を済ませておくとよいでしょう。

ちなみに役所の方から教えてくれることはないので、その点も注意です。




軽減措置もある

減免申請の対象は所得割のみですが、均等割平等割については軽減措置が別にあります。

均等割、平等割の軽減措置は、前年の合計所得金額で判断され、金額に応じて段階的に軽減される仕組みです。

軽減割合は、下記のようになります。

区分 前年の合計所得金額
7割軽減 33万円以下
5割軽減 33万円+(27.5万円×被保険者等数)以下
2割軽減 33万円+(50万円×被保険者等数)以下

A子さんの場合、X1年の合計所得金額は266万円ですが、X2年の合計所得金額は、再就職しなければ68万円(133万円から給与所得控除額の65万円を引いた額)です。

したがって、X3年度分からは2割軽減の措置を受けることができます。

均等割と平等割の軽減措置は、法定の措置であるため申請を不要としている自治体が多いです。

ただし、あくまで運営主体は自治体ですので、必ずご自身で確認して下さい。

所得割の減免申請時に、あわせて確認するとよいでしょう。




解決方法②離婚届のタイミングを見直す

国民健康保険料は、4月から翌年3月の年度区切りで計算されます。

退職した翌年度の保険料は高いのですが、その年度が過ぎれば保険料は安くなります。
A子さんの国民健康保険料を図にするとこのようになります。

もし国民健康保険料だけで損得を判断するなら、X3年4月以降の離婚なら所得割は3ヶ月分の収入(X2年1月~3月分)にしか発生しません。(図の紫色の部分)

したがってA子さんの場合はもう半年、離婚を先に伸ばすことで国民健康保険料の所得割を大きく減少させることができたのです。
住民税の負担も減少していくため、格段に生活設計がしやすくなっていたことでしょう。




解決方法③再就職する

最もよいのは再就職し、勤め先の社会保険に加入することです。

勤め先の社会保険に加入すれば、保険料は前年の所得金額ではなく、標準報酬月額(その人に支給される給与の月額平均のようなもの)に対し保険料率をかけるため、収入に応じた分しか徴収されません。

前職より収入が下がっても、保険料もその分下がるためかなり安心できます。

また、勤め先の社会保険に加入すれば、厚生年金への加入もできますし、国民健康保険にはない傷病手当金・出産手当金の給付もあるため、保障面も充実します。




おまけ 住民税の非課税措置もある

住民税もまた、所定の要件を満たせば、全額が非課税となる制度があります。

全額が非課税となる要件のうち、離婚に関するものとして知っておきたいのが

寡婦、寡夫に該当する人

前年の合計所得金額が125万円以下の人

です。

このいずれにも該当すれば、住民税の全額が非課税となります。

また均等割のみ、あるいは所得割のみなど一部非課税となる要件も別途あります。




退職後の離婚で国保税・住民税で困らないための3つの解決方法

退職後のスピード離婚で、国保税と住民税に苦しまないための方法を解説しました。

せっかくの決意で、新たな後悔をすることにならないよう、手続きはしっかり行いましょう。







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