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医療費控除でどのくらい税金が戻る?

投稿日:2018-09-18 更新日:




医療費控除を申告するの、大変ですよね。

普段は確定申告が要らない人でも、医療費控除を申告するには確定申告が必要です。

さらに、2017年からは「医療費控除の明細書」を作成して確定申告書に添付するよう決められました。

せっかく苦労して申告するのですから、その努力で一体いくらお金が戻ってくるのか、知りたいですよね。

今回は、医療費控除の還付金の目安を計算する方法をご紹介します。




医療費控除の還付金を計算する方法とは?

医療費控除には、所得を減額させることで、結果的に所得税と住民税を安くする効果があります。

申告した金額がそのまま戻ってくるわけではありません。

この仕組みから、医療費控除で還付金の目安は、

【医療費控除の金額✕所得税・住民税の税率】

で計算することができます。

所得税の税率とは

所得税の税率は、所得の金額が高い部分ほど上がる仕組みです。

具体的には下記のとおり、5%から最大45%まで上がります。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超~330万円以下 10%
330万円超~695万円以下 20%
695万円超~900万円以下 23%
900万円超~1,800万円以下 33%
1,800万円超~4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

サラリーマンや公務員などの給与所得や、自営業による事業所得は、その金額をそのまま表の金額に当てはめればOKです。

ただし、もし退職金や不動産の売却といった「分離課税」に該当する所得がある場合、ここでの「所得」には含めてはいけません。ややこしいですね。

豆知識 所得金額には「の部分」をつけよう

この表だけみると、所得が高くなるほど全体の税負担が重くなる…と見えてしまいますが、そうではありません。

正しくは、所得金額の最後に「の部分」という言葉を入れてください。

・195万以下「の部分」…5%

・195万円超~330万円以下「の部分」…10%

という感じです。

例えば、300万円の人であれば、うち195万円以下「の部分」は5%、195万円超え「の部分」が10%ということになります。

住民税率

住民税率は所得の金額に関係なく、一律10%です。

「所得」の金額の計算方法は、所得税と全く同じになります。




還付金の目安を計算してみよう!

それでは具体例で、所得税・住民税がいくら安くなるのか目安を計算してみましょう。

例:給与収入500万円・医療費15万円のAさん

ステップ1:Aさんの所得税率を計算する

Aさんの所得は、

500万円-(500万円✕20%-54万円※)=346万円

です。

※( )内は、給与所得控除額です。

したがって、Aさんの所得税率は20%(最も高い部分)になります。

ステップ2:Aさんの医療費控除額を計算する

Aさんの医療費控除額は、

15万円-10万円※=5万円

です。

※10万円は、医療費控除の計算方法を参照してください。

ステップ3:Aさんの還付金を計算する

したがって還付金は、

・所得税 5万円✕20%=10,000円

・住民税 5万円✕10%=5,000円

で合計15,000円です。




実際の還付金はもっと少ない?

実際に税務署から振り込まれる金額は、上記の金額より少なくなります。

その理由は次のとおりです。

還付されるのは所得税だけ

還付金は、一斉に戻ってくるわけではありません。

所得税の還付金は、確定申告をした翌月くらいに指定口座に振り込まれますが、住民税は、確定申告後の6月ころから徴収される住民税から控除される形で返還されることになります。

したがって、振り込みで還付されるお金は、所得税に該当する部分だけです。

上記の金額は全て住民税込みですので、税務署から振り込まれる金額よりは多く表示されています。

振り込まれた金額が少なくても、その分住民税が安くなっているため、がっかりしないようにして下さいm(_ _)m

振り込まれる金額が知りたい場合は、住民税の10%を引けばOKです。(上記の例だと10,000円)

税率の変わり目

少し細かい内容なのですが、税率の変わり目に近い所得の場合、還付金が上記の表示より少なくなることがあります。

先ほど豆知識として、所得税率の「の部分」を確認しましたよね。

先ほどの還付金の計算方法は、あくまでその人の所得税率が最も高い所得「の部分」で計算しています。

ところが、もし医療費控除の金額が多い場合、税率が低い所得「の部分」に食い込むことがあります。

例えば、所得220万円で30万円の所得控除を申告した場合、30万円のうち25万円は、195万円超え330万円以下「の部分」ですから、還付される所得税は10%の2万5,000円です。

一方、残り5万円は195万円以下「の部分」にかかってしまうため、5%の2,500円となってしまいます。

つまり、税率の変わり目を医療費控除が横断すると、最も高い税率で計算した還付金よりも、金額が減るということです。

大きな誤差とはなりませんが、税率の変わり目に近い所得で申告をする時は、「目安より減るかなー」というくらいの気持ちでのぞんでください。

還付金がないことも?

年末調整を行った上で医療費控除のためだけに確定申告をする場合は、医療費控除で安くなった分の所得税が還付され、住民税が減額されます。

しかし、もし年末調整をしていない副収入があって、それを医療費控除額を一緒に申告すると、その部分に新たに税金が発生するため、副収入の額によっては還付にならない場合もあります。




医療費控除でどのくらい税金が戻る? まとめ

大きな還付は得られませんが、少しでもお金が戻るのであれば、絶対に確定申告はするべきです。

特に、大きな医療費が必要となる年は、少しでもお金が戻ってくると助かりますよね。

ところで、医療費は、診察や治療費以外にも該当するものが沢山あります。

こちらの記事もぜひご覧下さい。

医療費控除の要件5つを今すぐ知るための記事







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